北九州 まなびとキャンパス"

夢リレー

大英産業株式会社 人財開発課 鮎川 貴大 さん

Profile
19 年北九州生まれ
大学卒業後大英産業入社
住まいの情報館の立ち上げなど 4つの部署を歴任

【大切にしていること】じぶんの信念を大切にする

人と人とのご縁を大切に

目の前にいる“ひと”のために自分ができることを一生懸命にやっていると、そのことがすぐではなくても、いつかは自分のところに帰ってくる。 見返りを期待せず、喜んでもらえることをシンプルに感謝し続けることで、人生は楽しいものになる。

現在 地域のために働く“期待の星”

大英産業は、北九州に本社を構える、6000戸以上のマンションを提供する九州で屈指の総合住宅不動産会社。鮎川さんは新卒で入社、わずか7年の間に5回も部署を異動している。いろいろな部署から声がかかる大英産業の若手の期待の星である。新規事業の「住まいの情報館」の立ち上げや、社外に向けての会社の顔である広報部などを歴任、4月からは人事部に異動し、現在は新卒採用などの業務に従事している。 広報部時代は、通常業務とは別に、北九州マラソンの公式スポンサーとしての業務もまかせられた。単に協賛金を出すだけでなく、マラソン当日のランナーの激励や、マラソンを通じて地域の方々がどうやったら喜んでもらえるかを必死に考えた。通常業務を終わらせた後、ヘトヘトに疲れた体と頭に鞭打って熱心に取り組んだ。特別支援学校の方々などの普段関係のある地域の方々と、共に考え、一緒に企画を作り上げていった。 「お客様の“住まいの夢”を、お客様と共に叶える」という企業風土が地域貢献活動にも息づいている。

高校〜大学時代 自分との約束をひとつだけ守る

高校は工業高校を選択。自由で、やんちゃで、とても愉快な仲間とすごす。ちょっと羽目を外しすぎたこともあったが、鮎川さんは、ひとつだけ自分との約束をしていたそうだ。

“試験の前の日はちゃんと勉強する”
そのことを守ったことで、成績はまずまずだった。筋を通し他人との信頼関係を作ることができる性格も認められ、担任の先生からは「大学に進学して教師になれ」と勧められ工学部に進学。
大学時代は、多くのアルバイトに精をだした。バイトづけの毎日だが、ここでも鮎川さんは自分との約束を課した。

“授業はかならず出席する”
「自分は、勉強はできる方ではなかったけれど、自分との約束は守ることができるんです」と鮎川さん言う。

数々のバイトの経験の中で特に印象に残っていることは2つ。
鳶(とび)をやっていたとき、体の使い方もなれておらず、力もそんなに強い方ではなかった鮎川さんは、本職の鳶たちが、軽々と資材を運んでいる中で、よろめきながらやっとの思いで周囲についていこうとしていた。そんなもたもたする鮎川さんに対し、年下で経験豊富な職人が「ちっ!」というひとを見下す態度をとった。そのときの若い職人の表情は今も忘れられない。虫けらのように扱われたことに、とてもショックを受けた。それと同時に「自分では正義だと思って取ってきた他人に対しての厳しい態度は、実はひとを傷つけていたのかもしれない」ことに気づかされた。自分自身が行ってきた行動を省みる機会になった。

それ以来「自分はどんなことがあっても人の尊厳を傷つけるようなことはしない」ことを固く心に決めた。 ふたつめは居酒屋のバイト。大将は、いわゆる職人気質の頑固オヤジ。ほとんどの学生が大将の厳しい言葉や態度に耐え切れず辞めていく中、鮎川さん一人卒業までバイトを続けた。「大将の言い方は確かにどうかと思うところも多かったけど、言ってることは正しいので勉強になった」。そんな大将に言われた「人生は縁だ」という言葉を今もわすれない。表面的ではなく本質的に人と信頼関係を作ることとはどういうことかを学んだ。

その精神は今につながっている。先日も、仲の良い友人のあまりにもだらしのない言動が許せず、軋轢をおそれず苦言を呈したことがあった。「他の人たちは見て見ぬ振りをしていたが、自分はその友人のことを考えるときっちりと伝えるべきだと思った。もし、それで関係が悪くなっても仕方ない。その彼とは以前にも増して今も仲がいいです。相手のことを考えて本気で相手にむかうことで、本当の信頼関係を作ることができるのだと思います」。 小さい頃から、自分が正しいと思うこと大切に生きてきた鮎川さん。自分の価値観を持ちながら、持ち前の明るさと、「他者のためにつくしたい」という気持ちが多くのひとと縁を結んでいく。

未来に向けて 北九州のひととともに

「私はだれかのために生きていきたいんです。世界平和とか、地球の裏側の困っている子供達のために何かできるとは思いませんが、目の前にいるひとに一人でも多く笑顔になってもらえれば嬉しいと思っています。 そのことで生まれ育った北九州というまちが、ちょっとでもよくなればいいと考えています」

〜取材を終えて〜

福島孝平
北九州市立大学4年

私は今まで、人間関係を壊して辛い思いをしたくないという思いから、人と真剣にかかわるということを避けて生きてきました。本心をさらけ出してコミュニケーションをとることは今でも苦手にしています。そんな私は、鮎川さんの人と真剣に向き合う姿勢に憧れを抱きました。印象に残っているのは「相手のことを考えて伝えるべきことを伝えた結果、人間関係が悪くなるのは仕方のないこと」という考え方です。正直、本心をすべて開示することはすぐにできるようになるとは思えません。しかし、今回鮎川さんの話をお聞きして、少しずつでも、人に嫌われることを恐れず自分の思いを素直に言葉にしていきたいと思えるようになりました。