北九州 まなびとキャンパス"

夢リレー

株式会社雪文 池田 興平さん

1976年 北九州生まれ
多摩美術大学出身
ジェラート機械販売の会社に就職した後
現在の雪文を起業

“自分の「個性」を大切に”

自分自身と向き合い、見つめなおすことで、“自分が本当にやりたいこと”が見つかる。そこには、たくさんの人との出会いやきかっけがある“自分らしさ”を生かして“社会の役に立つ”ことを追求する人には、社会は味方になってくれる。

学生時代 初めて自分の“やりたい”にこだわった美大へのみち

高校時代、「なんとなくいい学校に入って、いい会社に就職する」という漠然とした動機で北九州市立大学に進学。大学生活もその“なんとなく”の日々を過ごしていた池田さん。
当時、運送業者と美術館の2つのアルバイトを掛け持ちしていた。そのアルバイトを通して、池田さんの人生の道は変化することとなる。運送会社で、ある素敵な社員さんと出逢う。責任感をもってバリバリと働く大人の姿を見て。「自立して生きている大人はカッコイイ」と思った。今までの人生の中で初めて出会った“かっこいい大人”の姿を見て、“自分はこのままじゃだめだ”と思った。自分自身と向き合う中で“大学に行くのなら、ちゃんと自分が学びたいこと勉強しようと”と決意した。“自分が学びたいこと”を改めて考えたとき、“絵を描くことに”に思い至った。小さいころ絵を描くことが好きだったが、お兄さんがとても絵が上手く、それに比べるととても見劣りする自分の絵。池田さんは、兄に対するコンプレックスと、大人になっても、絵を描いていることの恥ずかしさから“自分の中の好き”を封印していたのだ。絵の道を志す後押しになったのは、美術館のアルバイトだった。上手い絵がいいのではなく、伝えたいことが伝わる絵がいいことを知った。
それまでは、親に自分の想いや気持ちを表すことのなかった池田さんだが、このときは“美術の道へ進みたい”という熱い思いを伝えた。説得の末、北九州市立大学を休学。必死の努力の末、見事多摩美術大学へ入学することができた。

仕事 アイスクリームとの出会い

アイスクリームの人気ブランド“雪文”を提供する会社を起業した池田さんのアイスクリームとの出会いは、学生時代の旅行。学生時代に知人と日本中を旅行しながら様々なアイスやジェラートを食べていた。そんな時、ふと、アイスを作っている機械が目に入った。地域が違うのにどこにいってもジェラートを作る機械は同じメーカばかりであることに気づき、ジェラート業界に興味を持つようになった。調べていく中でジェラートの製造は、特定の機械があれば、少ない材料で、できる生産できることを知り「これは自分にもできるかもしれない」と思い至った。卒業後は、ジェラートの製造機器を販売する会社に就職し、ジェラートやアイスクリームの製造・販売や店舗経営について学んだ。自分のお店を開くことを決意し“雪文”を八幡西区で起業。池田さんは、単に美味しいアイスクリームを作るのではなく、ストーリーにこだわった。「ソフトクリームやジェラートを食べているときは、人はみな無口ですごす。カウンター越しに私が、話題を提供することで、美味しいアイスクリームに楽しい会話が加わり、よりいっそう美味しくなるんです」。カウンター越しの店舗にこだわる理油はこの“食べているときの楽しい時間”を提供するためである。

二つ目のストーリーは、食べる前。“四つ葉のクローバーとアイスの交換”「子供たちは、雪文食べたくて必死にクローバー畑で4つばを探すんです。探している時間は、ずっと雪文のことを考えてくれる。その時間がストーリになり、その時間も自分たちが提供できる価値だと考えています」ストーリー性にこだわり、持ち前の美術のセンスでパッケージや店舗をデザインすることで、ブランドをこつこつと作り上げることで、食べログなどのサイトでも上位にはいり、今や人気有名アイスクリーム店になっている。

夢 目の前の夢と遠い未来の夢

「自分は人生を楽しむのは得意ではなく、楽しませる方がしょうにあっている」「人に喜んでもらえることが仕事って、こんなにいい仕事はないと思うんです。アイスクリームには人を楽しくさせる魅力があります。今は、製法や素材にこだわっているので金額が高く設定せざるをえない。もっと多くの人に食べてもらえる安価で手軽なアイスキャンデーに挑戦してみたい。アイスキャンデーは製造工程がシンプルなので、障害のある方の施設などとも共同して、製造から消費まで、関わる人全てをハッピーにする、地域の人々に愛されるアイスクリームメーカーになっていきたいというのが夢です」。池田さんから「自分ができることを探し、努力を重ね、社会の中で役割を持とうとしている人には、社会はとても寛容だし、優しい」ということを“雪文ストーリー”をと教えていただいた
池田さんには、まちをハッピーにするアイスクリームメーカーを育てるという夢に加えて、もう一つの夢がある。それは「多摩川美術大学の2番目の絵本作家になること」。人を喜ばせるという役割を果たしながら、自分の大好きな絵を描き続ける、その両輪で池田さんの人生は未来にむかって進んで行く。

取材を終えて

眞木奈津美
北九州市立大学3年